横濱浪漫話

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血を飲み込んだ瞬間、身体中の寒気が引いていき、逆に燃える様に熱くなっていく。そしてそれと同時に体の皮膚が赤い鱗に包まれていくのが見えた。驚く私の頬を撫で、男は「大丈夫だ」と言って微笑んだ。 再び薄れゆく意識の中で瞼を閉じるともうそこには闇は見えなかった。 見えるのは青い草原と、無数の金魚が泳ぐ小川だけ。 そしてその対岸には金魚屋の男が立っている。 そして私は何故か彼に向かって「(にしき)」と呼びかけていた。 彼は振り返り、私の方へと歩いてくる。彼の名前が錦だとどうして知っているのだろう。 まるで誰かの記憶を彷徨うような夢の中、私は彼に手を伸ばしていた。
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