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夏休みが始まって数日ーー
花蓮のプライベートは無い。
そうこうするうちに、花蓮の誕生日ーー8月3日が来た。
朝10時。
申し訳程度に呼び鈴がなり、花蓮が出る前に指紋認証でさっさとドアを開けたゴドーが姿を現した。
「カレン」
「はい」
ごくりと喉が鳴った。
覚悟はしているとはいえ、花蓮はなにせ初めてなのだ。
「準備はいいか?」
「…大丈夫です」
「よし」
ゴドーはいつも濃いサングラスを身に着けている。
夏でもスーツ。短髪の黒髪。
がっしりして背の高い体形。
197センチあると聞いた。
筋肉が隆起して、外国の傭兵とか、そんな見た目だ。
ゴドーは椅子を引きずると、部屋の真ん中にドカッと座った。
長い足を組み、腕組みをすると花蓮をじっと見る。
「脱げ」
外は夏の日が燦燦と降り注ぎ、カーテンをしていても部屋は明るかった。
裸のチェックは毎日ある。
今日は意味合いが違うだけだ。
花蓮はコクンと息を飲むと、バスローブの紐を解く。
ゴドーの目が、まっすぐ花蓮を見ていた。
するりと解くと、バスローブのあわせが開いてーー花蓮の白い肌が露になった。そのままバスローブを脱ぐと、素っ裸だ。
恥ずかしさについ隠しそうになる腕。意識して真っ直ぐカラダを立てる。
練習のために部屋でいつも履いているヒールがグラつかないように腰で立った。
「…」
花蓮がそのままゴドーを見ると、ゴドーは身じろぎもせず言った。
「ゆっくり回れ」
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