明日の風 season1

アベニールという名の、置屋

そこそこ裕福だったはずの花蓮の家庭。
父の再婚。
まるでそれが発端のように起こった、父の事業の相次ぐ失敗。

そしてーー

巨額な負債。
それを被って、売られた花蓮も働くことになったのだ。

よくある話ーー借金のカタだ。

逃げる？ーーどこに？
頼る？ーー誰に？
そんな選択肢は花蓮にはハナからなかった。

働くとはいっても、『稼ぐのは高校卒業してからでいい』とゴドーは言った。

『お前を安売りするつもりはない。
高校だけは卒業まではきちんと通え』ーーと。

そして8月。花蓮は18歳になった。

高校に通いながらも、18歳になってすぐ。
まだ何も知らなかった花蓮を同意の上で商品に仕立て上げたのは、ゴドーだ。

アベニールの女たちは全員、少なくとも1度はゴドーに抱かれ、商品として合格するまでベッドでの教育を受ける。