コバルトブルー2

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「なんか噂になってるけど、気にすんなよ。」 そんなことを言われると思ってなくて 「え?うん、ありがとう。」 と言ったら「ん。」と返してきた。 なんだか嬉しく思った。 その夕方、日直が終わって教室に戻るとまだ高木君が居た。 「お疲れ。」 また高木君に声をかけられた。 「…高木君は、まだ帰らないの?」 「さっき、あの先輩が暁のこと探してたぞ。校門の前で待ってるって。ちゃんと伝えたから。」 そういうと、鞄を肩にかけて 「じゃあな。」 高木君は、教室を出て行った。 白石先輩の伝言のために待っててくれたんだ…と思うと、高木君って優しい人なんだなと思った。 それにしても白石先輩と下校することになるなんてどうしよう…。 でも白石先輩を待たせたら悪いと思って、急いで帰る準備をした。 校門まで走って行くと 「あっ、みどりちゃーん!」 大きな声で手を振る白石先輩。 この場合、手を振り返した方がいいのか迷った。 でも先輩だからやめておこうと思った。 「…待たせてごめんなさい。」 頭を下げると 「えっ?僕が勝手に待ってたんだから、謝るのは違うよ。」 慌てた顔をする。 「みどりちゃんに見せたい場所があるんだ。行かない?」 「学校帰りの寄り道は禁止に」 言い終わる前に 「あ、そうだった。みどりちゃんは真面目ちゃんだった。」 クスッと笑った。 「じゃ、一緒に帰ろうよ。それならいい?」 白石先輩の笑顔にドキッとして視線を外した。 「…はい。」 駅に向かうことになった。 「みどりちゃん、連絡先、交換しない?」 数歩、歩いてから突然白石先輩から言われた。 「え?」 「その反応は嫌……だった?」 目を見開いて私を見てきた。 「嫌だなんて思ってないです……ただビックリして。」 「あー良かった。断られたらどうしようかと思った。」 白石先輩はフゥーと息を吐いて、手で額に触れた。 「あの……家族以外で連絡先増えるの初めてで…。私でいいんですか?」 「うん。」 白石先輩がポケットからスマホを取り出して 「僕がみどりちゃんにとっての連絡先、第一号になるんだね。なんだか嬉しいな。」 嬉しそうにスマホをいじる。 私もスマホを取り出すと 「あ、その機種、新しいのでしょ?いいなぁ。」 「この間、変えたばかりなんです。まだ使いこなせてなくて。」 「僕も同じような感じだよ。」 スマホを近づけ合った。 「これでOKだね。あ、そうだ、これ見る?」 白石先輩がスマホを弄って、写真を見せてきた。 その画面に写っていたのは、鳥の写真だった。
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