コバルトブルー2

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「鳥の写真ですか?」 「うん、可愛いでしょ?鳥が好きなんだ。」 ニコッと笑って 「だから、鞄にも付けちゃってるんだ。みどりちゃんが拾ってくれたから、こうして話しするようになって、すげぇ、ラッキーだと思ってる。」 白石先輩が鞄に付いてる鳥のぬいぐるみを手でムニュと触った。 そんな風に思ってもらえると思わなくて、心がじわーと温かく感じた。 駅まで歩くと帰宅時間で駅のホームは人だらけだった。 「人が多いですね…。」 「そうだね、帰宅ラッシュと重なったね。」 電車がきたら、電車内も満員だった。 「入れるかな…。」 白石先輩が呟きながら、頭を掻いた。 ドアが開くと人が出てきて横に列を作る。 その後ろに並ぶと 「僕から離れないようにね。」 なんでそんなこと言うのか疑問に思っていると、白石先輩が私の手首を掴んで電車内に入っていた。 それにドキッとした。 こういうことを簡単にしてしまう白石先輩が憎いと思った。 「窓側の方が手すりに掴まれるから、ここにしよう。」 白石先輩が小さい声で言って、向かい合うように立つと手首を手すりに持っていってくれた。 「掴まって。」 至近距離の向かえ合わせにドキドキが止まらない。 恥ずかしくて俯くと 「具合悪い?大丈夫?」 顔を覗き込まれた。 白石先輩にドキドキしていると言えなくて、頭を横に振った。 「具合悪くなったら、早めに言ってね。」 「…はい。」 ドキドキしたまま電車に揺られていると、電車の揺れでたまに白石先輩がこっちに近づくと小さな声で「ごめんね。」と気遣ってくれた。 「次の駅で降りるんだよね?」 「はい。」 「もう少しの我慢だね。」 小声で話しをした。 駅に着くと、ドアの開く前に 「ドアの方を向いた方が危なくないから、1回転した方がいいかも。」 白石先輩に言われて1回転したら 「いたっ!」 白石先輩の足を踏んづけてしまった。 それと同時にドアが開いて、慌てて降りて白石先輩の方を向き直って 「ごめんなさい!」 頭を下げた。 「いいよ、大丈夫だから。気をつけて帰ってね。」 にっこりと笑った。 ドアが閉まると、白石先輩が手を振る。 振り返すのが恥ずかしくてお辞儀をした。 その夜、白石先輩のことを思い出していたら、スマホが鳴った。 画面を見ると白石先輩からだった。 『今、何してた?(-ω- ?)』 白石先輩のことを考えていたなんて言えないから 『宿題してました。先輩は?』 と、嘘をついた。 すると、すぐに返事が返ってきた。 『動画サイトの鳥の映像、見てた(o≧▽゜)o』 白石先輩も動画を見るんだ…と思った。 『そうなんですか。本当に鳥が好きなんですね。』 『うん(^-^)』
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