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とうとう夕美は、タカヒロがいなくなってしまった時のことを、ママにだけ、話した。
ママは、学校で1人子供が行方不明になったというのに、のんびりとしていた。他のママは皆、自分の子供がいなくならないかと震えているのに。ママはとろんとした目をこすりながら夕美の話を聞いた。
ママは、夕美の話を聞き終わると、「ああ」と、思い当たったように言った。
「それさあ、多分、『恋人』に『入っ』たんじゃない」
「恋人?」
夕美が首を傾げると、ママはほらほら、と。「ママが作ってあげたでしょ。タロット」
夕美は自分の部屋に駆け込んだ。引き出しから、タロットカードの束をひっぱりだした。
ぱらぱらとカードを見ていった。
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