DAYS.1 インパクト

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 天体観測船からの報告を受けて、船団司令船の会議室で緊急の会議が開かれた。政府の中枢と船団の司令官らが招集されていた。 「衝突地点は割り出せたのかね」  上座に鎮座する大澤武首相が会議の口火を切った。話しぶりは重厚だが、世間話でもするかのような口調だった。 「東アジア付近というところまでです。現時点では」  司令船の山口博行艦長が答えた。 「東アジアといっても広い。しかも、今はほとんどが氷結している。どの辺りなんだね」 「そこまでは…。現在、鋭意解析中であります」  山口の返答に、大澤はぎゅっと口をつぐみ、瞑目した。首相に代わって首相補佐官の緑川哲が質問した。 「衝突時間は、いつですか」 「約十八時間後だとの報告です」  山口の口調はやや緊張を含んでいた。大澤首相は大きく目を見開いた。 「海に落下したら、巨大な津波が発生する。インパクトポイントからできる限り遠くに避難するか、退避場所を探す必要が生じる。地点の割り出しを急がせたまえ。アメリカやEUにも協力を求めるように」 「承知致しました」  山口が部下に目で合図をすると、数人が会議室から飛び出していった。 「十八時間…随分急だな」  大澤がつぶやいた。
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