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大澤首相が秘書と呻吟している頃、天文観測船の坂井星也の通信装置が鳴った。
「はい、坂井」
「俺だ」
声の主は通信船の野田和明だった。
「来たぞ」
ささやくような野田の声色は切迫していた。小声で話しているのは周囲に知られぬよう、秘かに通信しているからだと、星也は即座に理解した。
「来たって、何が」
野田は間髪入れずに言った。
「例の通信だ。また、数字の羅列だ。今、送る」
すぐに通信端末にショートメールが届いた。
<2 31 37 130 38>
「発信源は同じ。アステロイドベルトからだ。また忙しくなるぞ」
それだけ言うと、野田は一方的に通信を切った。
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