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前回の通信パターンだと、最初の数字は小惑星の数、そしてその後に落下地点の緯度、経度が続く。
星也はすぐに緯度、経度を調べた。それは鹿児島県の桜島のあった場所を示していた。前回、阿蘇山付近の落下地点からそれほど遠くない。
「桜島に二発落ちるってことなのか…」
しかし、考え込んでいる暇はなかった。
星也はすぐに同僚の篠田かおりを呼び出した。そして、上部からの命令を待たずに、二基の天体観測衛星を火星と木星の間にある小惑星帯の方角に向ける作業に取り掛かった。いずれそのような命令が下りてくるのは明らかだったからだ。
地球に向かってくる二つの小惑星の存在を日本の衛星が捉えたのは、それから二日後のことだった。
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