DAYS.1 インパクト

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「小惑星の配列というか、形状というか…それに不思議な観測内容が含まれているとのことだが」 「はい、それは報告を受けております」  緑川補佐官が再び手元のパッドを操作した。会議室の大画面に規則正しい小惑星の配列を映し出したレーダー画像が表示された。 「小惑星の数は四十九ありました。直径はそれぞれ三十から五十メートル。赤外線望遠鏡による分析では、鉄などの金属が主成分と推定されるとのことです」 「インパクトの衝撃が大きい奴だな」  緑川補佐官は頷いた。会議の出席者は説明の続きをじっと待っている。 「不思議と言いますか、信じられないのは、観測衛星によると、このように小惑星群が縦7個、横7個と正方形の陣形をとっているとのことでした」 「あり得ない」  出席者の一人がつぶやいた。学術経験者として呼ばれた物理学者だった。 「その通りです、博士。正方形は等速、等間隔だから形成されるのです。宇宙でそのような状態が自然に発生し維持される確率はゼロではないが、極めて低い。ほとんどあり得ないといってもよいレベルであります」 「どうしてそのようなことが…」  大澤の発した疑問に答えられる人間はここにはいなかった。 「分かりません。ただ、その正方陣を形成した小惑星四十九個が、あと八時間後に日本列島の西日本があった場所に次々と落下してくることになります」
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