第一話

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第一話

明治維新により江戸幕府が崩壊したことで 日本は一つの大きな節目を迎えたと同時に 新時代が始まろうとしていた。 時代が、大きく変わる。 それは一見、良いことのように聞こえるかもしれないが、 むしろ、世の中はより一層混沌を増していった。 江戸幕府が崩壊する前、 今でいうところの、行政・司法・警察・消防をつかさどっていた ”町奉公所”という役所があり、 ”町奉行”と言われる役人を筆頭に 彼らは、自分たちの町を一生懸命に守ってきた。 しかし、幕府崩壊により”町奉公所”も解体されたことで 今まで人々の安全や平和を守っていた人々や組織が、 根こそぎ崩壊していったのだ。 そして、人々の安全や平和を守る者がいなくなったことにより、 犯罪件数が急激に増え始めた。 人々は、悪人たちを恐れ 安全に外を出歩くこともできなかったため、 景気までも悪化するという始末になり、 当時の日本はますます負の方向へと傾いていった。 1870年代、日本は文字通り混沌の時代となった。 そこで、国は”町奉公所”に代わる組織として、 ”邏業(ラゴウ)”と呼ばれる組織を新たに設立した。 彼らは、人々の安全と平和を切に願い、 自らが犠牲になろうとも、 自国をより良い國にしようと、その身を捧げたのだった。 これは、國を愛し、 そして、國の為に儚く散っていった戦士たちの物語だ。
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