第一話

1/1
前へ
/7ページ
次へ

第一話

明治維新により江戸幕府が崩壊したことで 日本は一つの大きな節目を迎えたと同時に 新時代が始まろうとしていた。 時代が、大きく変わる。 それは一見、良いことのように聞こえるかもしれないが、 むしろ、世の中はより一層混沌を増していった。 江戸幕府が崩壊する前、 今でいうところの、行政・司法・警察・消防をつかさどっていた ”町奉公所”という役所があり、 ”町奉行”と言われる役人を筆頭に 彼らは、自分たちの町を一生懸命に守ってきた。 しかし、幕府崩壊により”町奉公所”も解体されたことで 今まで人々の安全や平和を守っていた人々や組織が、 根こそぎ崩壊していったのだ。 そして、人々の安全や平和を守る者がいなくなったことにより、 犯罪件数が急激に増え始めた。 人々は、悪人たちを恐れ 安全に外を出歩くこともできなかったため、 景気までも悪化するという始末になり、 当時の日本はますます負の方向へと傾いていった。 1870年代、日本は文字通り混沌の時代となった。 そこで、国は”町奉公所”に代わる組織として、 ”邏業(ラゴウ)”と呼ばれる組織を新たに設立した。 彼らは、人々の安全と平和を切に願い、 自らが犠牲になろうとも、 自国をより良い國にしようと、その身を捧げたのだった。 これは、國を愛し、 そして、國の為に儚く散っていった戦士たちの物語だ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加