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夏休みの課外授業帰り。 「ぁ…っ、待っ…高嶺(たかみね)く…」 「こんなときにそんな色気のない呼び方止めろよ…萎える」 言葉とは裏腹に、プリーツスカートを(まさぐ)る手は、手慣れた様子で白いコットン素材のショーツを膝まで下ろした。 「えっ…?あっ!?ちょ…っ」 「ケイ」 「…ぇっ…?」 「()だけ特別。(けい)って呼ばせてやる…よ!」 「───っ!」 じっとりと湿った部屋で、エアコンが効き始めるのさえ待てなくて。 制服をかなぐり捨て、数え切れないほど肌を重ねた。 消したくても消えない、17の夏。
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