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「ヤだ…私カマかけただけなのに…っ。真緒、静花のこと見過ぎじゃない?」
あれ?
「たまたまですよ。俺の席、静花さんのすぐ後ろなんで」
あれあれ?
「…たまたまねぇ」
あれあれあれ??
茶化すような口調の割に、瑞希の目が笑っていないし。
東海林くんもなんか気まずそうだし。
微妙な空気流れてるし。
「あの、瑞希、ちょっといい?」
こういうことは時間が経つほど聞きにくくなってしまう。
瑞希を給湯室に引き込み、思い切って直球を投げてみた。
「ねえ、もしかして、二人、付き合ってたりする?」
「は?何でそうなるよのよ!?真緒とはあの夜一度きりで、その後なんっっっにもないわよ!!」
「…でも、あの夜することはしたのよね?」
「…シたわよ!優しくリードしてあげたって言ったでしょ?」
おかしいな。
東海林くんの性格からして好きでもないコとはできなさそうだし。
「じゃあ、何で付き合ってないの?瑞希、東海林くんのこと好きだよね?」
「は、ハア!?わ、私が真緒のことを…!?何言ってんのよ」
「だって、さっき明らかにヤキモチ焼いてたよ?気づいてなかったの?」
指摘してあげると、図星だったのか、初めて自分の気持ちを自覚したのか定かではないけれど、瑞希が顔を真赤にさせている。
「わ、私のことはいいから、早く高嶺と幸せになりなさいよ!電話で文句言っとくから、5カラットくらいのダイヤ買ってもらうのよ!」
言い捨てて、瑞希は逃げるように社長室に帰って行った。
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