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翌日は土曜日で、今の生活を始めてから初めて二人で過ごす休日になった。
昨夜は(も)激しかったし、今日は家でゆっくり過ごすのかなと思っていたら、珍しく高嶺くんの方が私より先にベッドから起き上がった。
「じゃ、行くか」
「行くってどこに?」
あちこち痛む体を起こしながら尋ねると、高嶺くんが久々に八重歯を見せて笑った。
「ジュエリーショップ巡り」
なんて意気込む高嶺くんと出かけたまでは良かったけれど。
周りのカップルの甘っっ々な雰囲気。
ショーケースに並ぶ、目が潰れそうなほどの輝きを放つダイヤモンドリングのお値段。
忠犬のように後をついてくるショップ店員さん。
どの店でもその全てに私が完全に気後れしてしまい、三軒回っても目星すらつけられなかった。
「ま、別に今日決めなくてもいいから」
休憩するために入ったカフェで、ちょっと疲れた顔をした高嶺くんが、ブラックコーヒーを啜りながら言ってくれた。
高嶺くんにとっては二ヶ月ぶりの貴重なお休みなのに。
申し訳ない気持ちで消えたくなっていると─
「…それとも決められない理由が他にあるとか?」
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