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「きっ…!?」 高嶺くんに綺麗って言われた!? 思い返せばLove Birdsの最初のレッスンのときにもサラッと言われたけれど。 でもあれは、高嶺くんが私を私と認識しているかどうか分かっていなかったときのことで。 実質初めて言ってもらったようなものだ。 信じられない。 嬉しくてひっくり返りそうになる。 だって、高嶺くんといるときの私の心は、高校生の頃になりがちで。 自分の容姿も脳内で当時のものに変換しがちだから尚更びっくりした。 「正直、最初静花かどうか分からないくらい綺麗になった。まあ、俺としては高校の頃の地味で暗くてダサかった静花も、アレはアレで好きだったけど」 そんなこと真顔で言われたら、嬉しすぎて肝心なことをはぐらかされてしまいそうだけど。 本当にそう思ってくれているのなら、疑問は余計に膨らむ。 「じゃあ、どうして…?」 高嶺くんは、もう一度私の頭をわしゃわしゃと、さっきよりも長い時間撫でてから言った。 「そこまで言うなら会わせてやる。でも、後悔しても知らないからな」
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