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「…何よ、これ?景と…誰よこの隣の地味でダサくて暗そうなブス」 …もしかして。 いや、もしかしなくても。 「本人目の前にしてブスって言うな。高校時代の俺らだよ」 やっぱり───!! 何で!? 何で高校時代の写真(そんなもの)がこの世に存在するの!? 何で持ち歩いてるの!!? 大慌てでお母さんから写真を取り上げようと手を伸ばしたけれど、サラリと躱された。 「は?嘘でしょ。何がどうしてこうなるのよ。別人じゃない。あ、分かった!整形し(いじっ)たんでしょう!?」 「いっ、いじってません。友達が色々教えてくれて…」 「絶対いじってるって!目?それとも鼻??」 面白がって食い入るように写真を見ていたお母さんに、今度は高嶺くんが手を伸ばした。 もちろん、私のときとは違って、躱されることはなく。 高嶺くんは胸ポケットに大事そうに写真をしまった。 「ってことで。この頃からずっとコイツに惚れてるんだ。これから先年取って外見が変わったくらいで心変わりするなんて、ありえない」 これには高嶺くんのお母さんも返す言葉がないようだった。 内心、高校時代の私の写真が高嶺くんのセリフにそこまで説得力を持たせていると思うと複雑だし、できれば今ここで燃やしてこの世から消して欲しいけれど。 「あの…私も、一生高嶺くんのそばに居たいです」 勇気を振り絞ってダメ押しすると、高嶺くんのお母さんは 「せいぜい頑張れば?」 と言い残して去っていった。
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