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間接的に、私の代わりに森永さんに仕返しをしてくれたらしい。 ゾットするほど腹黒い笑み。 森永さんのことなんて、すっかり忘れていたのに。 考えたこともなかったけど、絶対敵に回しちゃダメな人だ。 それにしても… 私なんかに憐れまれたくないだろうけど、 幼馴染で、 周りから付き合ってると誤解されるほどの仲で、 公私ともにずっと支えて来たのに─ 地味でダサくて暗くて(以下略)な私に高嶺くん掻っ攫われて。 止めに裁判で実家の会社を敗訴させられるって。 私にしたことを差し引いても森永さん、転生できるレベルで可哀想な気が…(リアル悪役令嬢だし)。 などと、遠い日本にいるであろう森永さんに思いを馳せていたら、不意に肩を引き寄せられた。 「何考えごとしてるんだよ?ハネムーン中だぞ。俺のこと以外考えるなよ」 そのまま唇を重ねようとする高嶺くんを、慌てて押し返す。 「ちょ、ここ、外!人に見られちゃう」 「気にするなよ。暗いし、知り合いがいるわけじゃないんだから」 そう言って強行突破しようとする高嶺くんを止めたのは、聞き覚えのない女性の声だった。 「…その声、もしかして高嶺先生?」
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