Tenacity~固執~

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「ヒナ、初めてのデートってどこ行った?」  学校帰りのバーガーショップ。  中等部ん時からずっと仲良い友達と男ばっか四人で喋ってた時、急にセイが俺に訊いて来た。  リサーチか? いかにも優等生タイプのコイツらしいけど。  塾で一緒の女子校の子と上手く行って、今度どっか行くんだって言ってたからな。  なんかずっと片想いしてたんだってさ。青春だよなぁ。……俺だって現役高校生だけど! 「え~、どこだったかなぁ。なんか映画? いや、最初は水族館だっけ?」  一応思い出そうとする俺に、横からタカの低い声。 「映画だよ。『去年の君へ』。相手の子が主演の俳優のファンで選んだんだったよな。中三の五月だったね」  淡々とした口調。ちょっと細かすぎねぇ? 「……なんでお前が知ってんだよ」 「ヒナのことなら全部覚えてるから」  平然と言うタカ。いや、怖ぇーよ。 「タカはヒナ大好きだもんなぁ」 「やめて、ミッキー」  こんなのもお約束みたいな掛け合いだけど。  ……俺より俺のこと知ってる友達ってどうなんだ?
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