Tenacity~固執~

2/19
90人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「でもさぁ、ヒナも続かないよな。女の子受けしそうな綺麗な顔してるし、実際結構モテるのに」  不思議そうなセイに、俺は自分なりの見解を披露する。  それについては実はあれこれ考えてんだよ、俺も。縁はそれなりにあるのに、なんですぐダメになんのかって。 「うーん。うち男子校だから、結局他校の子と見た目から始まるお付き合いじゃん? 何度か会ってると、毎回なーんか違うよなぁってなっちゃうんだよ。──あ、セイみたいに塾で一緒で友達として関係作ってからってのとは全然違うから!」  すげえ不安そうになったセイを慌てて宥める。  やべぇ、これからお付き合いでウキウキの奴に水差してどーすんだ。   「いいよな、セイ。今はいないけどヒナも。彼女ってどうやったらできんの? おれ今まで一回もそんなチャンスないんだけど!」  机に突っ伏して嘆くミッキー。芝居掛かってんなぁ。  いやお前、ホントは「彼女欲しい!」なんて思ってねーだろ!? 誘われてもスルーしてんの知ってるぞ。  ……それともあれ、素で気づいてない、とか? 「好きです。お付き合いしてください」ってハッキリ『告白』されるとは限らねーんだって、ちょっと忠告してやった方がいいのか?
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!