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―――
一緒にいる事がこんなに辛くて苦しいのなら、別れてしまえばいい。だけど僕から別れを告げる事なんて、出来やしない。
だからといって、あなたから別れを告げられる事も耐えられない。あなたが僕ではなくて、彼女を選ぶ所なんて見たくなかった。
いつまでも側にいたい。
いつか離れてしまう未来なんか、見たくない……
僕はもう一度、描いた絵を見た。
真っ赤な円は僕自身。青い筋は、今まで流してきた涙。
「ねぇ、邦宏くん。お願いがあるの。」
「ん?俺で出来る事なら何でも聞くよ。何?」
彼と離れなければいけない運命ならば、いっその事……
「僕を……殺して?」
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