沼津の子守歌

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僕の名前は『月城 優心(つきしろ ゆうしん)』、東京都内の大学病院の小児科で研修医として働いている23歳の男だ。 僕は幼い頃母に捨てられたようで、物心ついた時は静岡市内の『星の子学園(ほしのこがくえん)』という児童養護施設で育てられていた。 幼い頃の僕は、夜寝るときに子守歌を歌ってもらった記憶があるけれど、誰に歌ってもらっていたのか記憶が定かではない。 覚えていることと言ったら優しい笑顔の女性が僕の横に添い寝して、耳元で静かで優しい歌声で子守歌を歌ってもらったことだ。 この子守歌を歌った女性が、僕の母親なのか施設の職員なのかはわからない。 物心がついた小学校1年生の頃に、僕は静岡市内の里親に引き取られて養子縁組して育てられた。 僕の育ての親である父と母は、僕に対してとても優しく接してくれて、僕が進みたいと思う道を常に応援してくれている。 僕がこうして小児科医を志して勉強に集中できているのは父と母のおかげで、僕はそんな父と母に心の底から感謝している。
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