序章

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「後藤さん……」 彼は、本名後藤時という。公園のベンチに、置き去りに、されたうちの月刊誌菊の文庫を、見、これならおれもいけんじゃねと思い、先のうちの班、主催の月例賞に、応募してきたらしい。 「後藤さんこれ、書いたの2回目ですよね……」 「あ……ええ……」 彼は、かすれるような小さな声でうなずいた。 彼は、小説を、それまで、まともに、読んだことがないという。例えば村上春樹?だれそれという感じに…… 「ん~後藤さんこれ……もうちょっと練って3ヶ月後にあるうちのデカイ賞に、出してみませんか?たぶん私、行けると思うんですよね……」 「3ヶ月後?……」 後藤さんは、ポツリといった。聞けば後藤さんイケると思い、とうの昔に、会社をやめたらしい…… 「わかりました。後藤さん少しここで待っててもらえます。」 私は、この才能を、品定めしてみることに、する。 「あ!もしもしおねぇちゃん」
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