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短編集『自由律からはじまる物語』について
自由と酒をこよなく愛した俳人、種田山頭火。
挫折の末に孤独に泣き濡れた俳人、尾崎放哉。
ふたりの天才により紡がれた自由律、その美しき情景と心の揺らめきは、明治の時代からたくさんの人々に感動を与えてきました。そして今、このふたりによって生み出された美しい自由律俳句が、総勢40名のエブリスタ作家陣の手により、「短編小説」の冒頭文として生まれ変わります。
短編集『自由律からはじまる物語』
是非、お楽しみください。
(『自由律からはじまる物語』製作委員会/代表:雪乃かぜ)
■公開までのスケジュール(予定)
7月17日(土) 参加メンバー確定
7月18日(日) 題句×作家の組み合わせ発表
7月中旬以降 執筆&随時公開
9月30日(木) 創作締切(目安)
■参加予定の作家様(敬称略&順不同)
海月三五/紺藤香純/しのき美緒/濱口屋英明/amanatz/味志ユウジロウ/かふか/小波蛍/藤咲ハル/ゆづ/弥生美音/慈セレン/彩月志帆 /光村涼/葉一郎/日鷹れい/さくらぎりおん/宵宮一星/海善紙葉/きつね/ふじの/まつこみ/結咲こはる/蒼真まこ/夏目もか/楽市びゅう/ワタベ☆ミキヤ/穂津実花夜(hana4)/氷堂出雲/傘下/神代あられ/叶咲花火/mimiko/秋月茉白/牛飼あや/夏木蒼/杏仁五月/はごろもとびこ/にね
(※作家様のご都合によっては、参加できなくなることもあります。)
■尾崎放哉の自由律 一覧
①咳をしても一人
②あらしがすっかり青空にしてしまった
③すばらしい乳房だ蚊が居る
④いつしかついて来た犬と浜辺に居る
⑤淋しい寝る本がない
⑥犬よちぎれるほど尾をふってくれる
⑦こんなよい月を一人で見て寝る
⑧たった一人になりきって夕空
⑨なぎさふりかえる我が足跡もなく
⑩バケツ一杯の月光を汲み込んで置く
⑪自分をなくしてしまって探して居る
⑫久し振りの雨の雨だれの音
⑬酔のさめかけの星がでている
⑭たばこが消えて居る淋しさをなげすてる
⑮うそをついたやうな昼の月がある
⑯なん本もマッチの棒を消し海風に話す
⑰灯をともし来る女の瞳
⑱今日一日の終わりの鐘をききつつあるく
⑲青服の人等帰る日が落ちた町
⑳口笛吹かるる朝の森の青さは
■種田山頭火の自由律 一覧
㉑日向ぼっこする猫も親子
㉒風ふいて一文もない
㉓捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
㉔窓あけて窓いっぱいの春
㉕あんたのこと考へつゞけて歩きつゞけて
㉖まっぱだかを太陽にのぞかれる
㉗今日の道のたんぽぽ咲いた
㉘分け入っても分け入っても青い山
㉙どうしようもないわたしが歩いている
㉚まっすぐな道でさみしい
㉛月が、まんまるい月が冬空
㉜生死の中の雪ふりしきる
㉝ほろほろほろびゆくわたくしの秋
㉞あるけばあるくほど日がしずむ
㉟炎天の下を何処へゆく
㊱はてもない旅の汗くさいこと
㊲このいたゞきに来て萩の花ざかり
㊳けふも旅のどこやらで虫がなく
㊴ぬれてすずしくはだしであるく
㊵焼き捨てて日記の灰のこれだけか
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