幼少期

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3歳になったある日 見知らぬ男女がわたしのお家にやってきた わたしを連れて行くために とても… 怖かった 祖父母は快く、悲しげにわたしをその男女に差し出した なんで?! おじいちゃんおばあちゃんはわたしがいらないの? もう会えないの? 泣き叫びながらその男女に連れて行かれて 飛行機に乗せられる トランジットのときのベッドでは その男女が営みをしていた 小さいながらも 知らない男女 知らない土地 知らないホテル わからない喘ぎ声と吐息 こわかった… そう これはわたしをもっと平和な国へ、と引き取った両親だった 生まれてから3年…会えなかったから彼らはわたしにとってはただの他人だった 着いた国は日本。 全くわからない言葉。 どうやって言語を習得したのか記憶にないが 喋れないのを近所の子に馬鹿にされたのか 猛烈な速さで習得したと聞いた そして母国の言語はある日を境に忘れたという 喋れた言語が喋れなくなる 不思議な感覚だし 別の自分がいたような錯覚に陥る 言語を習得したものの 虐められた記憶が邪魔をしているのか 人と関わることがあまり好きではなかったと思う 喋ることはできるが 会話が下手で 思ったことを言語化できないことに 25歳まで悩んだ気がする 今考えると 人と喋るのが嫌で、会話の練習がままならないから さらに人と喋るのが嫌になる 言いたいことも言えなくなる 頭の中で内容が整理できなくて 思っていることと違うことを言ってしまう 前に見た記事では 頭の中で色んなことを考えるが、結局言葉にできないからクールに見られる人たちがいて お酒を飲むことで自分が解放され、よく喋りよく笑うようになるとのことだ まさにそれが当てはまるようになると気づく20代後半。 でも色んな人と話す機会を無理やり作り、人に慣れていく、そしてその人にどう思われるか気にしなくなったときに、リラックスして自分の言葉が紡ぎ出せれるようになったと今なら思う
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