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「俺はねー、卓也って名前!こいつはなっちゃんー。お兄さんはー?」
「卓也くんとなっちゃんね。俺は慧人。宜しくね」
慧人さんって言うんだ。名前を噛み締めた。俺は段々と調子を取り戻してきた。楽しまなくては損だ。どうせこれっきりなんだから。
「慧人さんはここ初めて?見た事ないから」
「ねー!居たら絶対声掛けるもんねー?」
「俺は家が近いんだ。でも、余りにも近いから来るのは初めてなんだけど。こんな可愛い子たちに話し掛けて貰えるならもっと早く来れば良かったよ」
和やかに微笑んだ彼はとても格好良く、目を逸したくなったが堪えた。ママにボックス席を借り、3人で飲む事になった。
俺とたくがひたすら喋って時間は過ぎていった。慧人さんは相槌を打ちながら微笑んでいた。余り酒が強くないたくが潰れないギリギリを保っているのは、慧人さんを狙っているからに違いはなかった。それは俺も譲れない。たくも勘付いている様子だ。俺たちは割りと好みが似ている為、この状況も何度となく経験している。そんな時必ずたくが言う解決方法がある。
「慧人さんー、3Pしようよー」
これだ。俺と慧人さんにだけ聞こえる声量でたくが言った。慧人さんは一瞬驚いたが、笑顔で了承した。
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