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近くにいた友達もすぐに合流し、事実上の合コンが始まった。まずは自己紹介。男は健太と誠。1年生たちは茜、ナナ、美香、愛理。合コン等の場面で健太が居るのは心強い。健太は盛り上げ上手。お調子者といっても過言ではない。
「ナナちゃん、お酒注ごうか?ピッチャーの嫌だったら頼んでもいいし」
「あ、大丈夫です。わたし余りお酒強くなくて。翔さんは強いですねー」
「俺は酒好きなんだ。ナナちゃんは一人暮らし?」
「はい。地方から来たので大学の近くで」
翔は小柄で華奢な女の子が大好きだった。強く抱いたら壊れそうな危うさがありながら、案外強く抱いても壊れない。そんな感覚に堪らなく興奮するのだ。ナナは明らかに翔のタイプだった。もう隣に座ってしまった時点でナナの運命は決まった様なものだ。ナナは「お手洗いに行ってきますね」と言い残し席をたった。
「あ、あれ、翔さん?お手洗いですか?」
トイレに行ったナナを待ち伏せしていた。ここのトイレは奥まっていて、人気がないのは翔は知っでいる。
「ちょっと酔ったから、酔い醒まし」
「わたし、じゃあ、席に戻りますね」
前を通り過ぎようとした腕を掴んで、ナナの身体を壁に押し付ける。翔も小柄な方だがナナもかなり小柄だった。そのナナの唇にチュッとキスをしてから抱き締めた。
「本当はナナちゃんの事待ってたんだよ。ね、ナナちゃんのお家で続きしない?」
甘えた様な声色でナナに囁く。少し困った様子だったが「はい」と小さな声で返した。
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