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カーテンから溢れる朝日で目が覚めると、ベッドから半身を起こす。隣にはナナが裸で寝ている。ベッドシーツもぐちゃぐちゃだった。久し振りに女の子を楽しめた。余韻を噛み締めながら、勝手にシャワーを借りた。ナナが寝ている間に帰る事にした。マンションを出た辺りでスマホを取り出したが、電池が切れていた。まだ人影も少ない早朝に外に出るのが、近々でなかった。タバコに火を点けると、美味しさが広がる。ナナの家で吸えなかったからか。早朝に帰るのは、出勤する浩輔に鉢合わせない様にしたかった。怒りはしないだろうが、うだうだ言われるのは怠い。寝てる間にベッドに潜り込めたらセーフだ。浩輔のマンションに着き、合鍵で部屋まで入っていく。玄関を開けるとコーヒーの匂いが立ち込めた。
「うそー。起きてたか」
愕然として玄関から中に入る気力を失った。靴を半分抜いた状態で、頭を抱えている。
「朝帰りか。俺、今日休みなんだよ。ラインしたんだけどな。もう、いいから入れ」
浩輔の低い声が耳に響く。終わった。浩輔を怒らせた。それは絶体絶命すぎた。さよなら、俺。
つづくー
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