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しかし、これといった解決策の見えぬまま、その時はやってきた。
街の支配者の指示で役所の者たちが踏み込んできた。
この森の木を全て取っ払い、大きな公園を造るのだという。
その前夜、私は友人と共に、森を後にした。
私たちがそれまで住んでいた小屋は、湖の主の協力を得て、近くの山へ移してもらった。
工事が始まって、あの小屋が見付かれば、誰が住んでいたのか? とか、その人物は何処へ行ったのか? といった色々な問題が起きるからだった。
そして私と友人は、小屋で同居しながら、今後の事を考えることにした。
が、今回の〝事件〞で、私の心のダメージは予想以上だった。
「君と一緒に旅に出るのも、無理かも知れないよ‥‥」
友人は何も言わなかった。
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