5.パエリアの色にとらわれる ※

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 しがみついていた柳瀬さんの目が大きく見開かれて、涙がこぼれそうになっていた。俺はちゅっと目尻の涙を吸って、テーブルの上のティッシュで指を拭った。 「⋯⋯柳瀬さん、俺さ、男同士のやり方はビデオしか見たことないんだ。でも」  ⋯⋯したいんだ、すごく。  そう言ったら、柳瀬さんは眉を寄せながら、ぎゅっと抱きしめてくれた。 「⋯⋯そう、そこに、指をいれて⋯⋯。んっ!」  柳瀬さんの手が俺の手を掴み、ゆっくりと尻の間に導いた。後ろの孔は思ったよりも柔らかくて、指を飲み込んでいく。排泄にしか使ったことのない場所が、こんなに開くなんて知らなかった。(ほぐ)すためのローションなんて思いつかなくて、救急箱の中にあったワセリンを使う。  手前に引っかかるところがあって、そこを押すと柳瀬さんの腰が揺れて、ペニスから白濁が漏れる。  俺のペニスは、そんな姿に興奮しすぎて、もう2回もイっていた。何度もキスをしすぎて、唇が腫れぼったくなってくる。 「⋯⋯も、大丈夫、だから」  そう言われて、ずるりと中から指を抜く。どくどくと脈打つ先端を入り口に当てれば、もう我慢は出来なかった。  甘いため息が聞こえる。ずんずんとナカに進めていくと熱くうねる肉襞が纏わりつく。きゅうきゅうと締め上げられて、堪らず腰を振った。 「ん! あっ⋯⋯あ⋯⋯あっ!!」  腰を抱え上げて奥まで突けば、離さないとばかりに絡みついてくる。 「イくっ⋯⋯! イっちゃう!!」 「⋯⋯ん、も、無理ッ!」    体中の血が一点に集まって膨らみ、熱が迸る。どくどくと肉襞の中に注がれていく。俺の腹の上にも、白濁が飛び散った。  ベタベタな体のまま抱き合っていた俺たちは、少しずつ体を起こした。白い肌に、たくさんの紅い痕を見つけてうろたえた。 「⋯⋯ご、ごめん、柳瀬さん。痕、つけすぎた⋯⋯」 「いちろ」 「へ?」 「名前は一路(いちろ)」 「名前で、呼んでいいの?」 「恋人なんでしょ?」 「⋯⋯うん」
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