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「いちろ」
名前を口に乗せたら、全てが甘い響きを持つ。嬉しくなって、何回も呼んでみた。そうしたら、起き上がった柳瀬さんが、なぜか真っ赤になって俺の額にキスをした。口を尖らせて、俺を見る。
「ああ、もう。料理だけじゃなくて、全部、食べられてる気がする」
「全部?」
「そう。体も、心も」
食べてる? 食べられてる? どっちなんだろう。
拗ねたように顔をそむける姿が可愛くて、思いきり、ぎゅうぎゅう抱きしめた。
「食べたいなあ。全部」
やっぱり料理も作ってほしいし、もっと一緒にいたいし。
「ねえ、明日も食べたい」
そう囁いたら、頬を思いきり、つねられた。
【明日も食べたい 了】
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本編、これにて終了です。
タカと一路を見守っていただき、ありがとうございます。
おまけの番外編にて、その後の二人をお届けします😊
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