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二人でのシャワーをたっぷり堪能して、颯はリビングのソファで千晃の髪を乾かす。柔らかな髪に指を通したとき、着信音が響いた。同時に颯のスマホを見やる。 颯はドライヤーを止め画面を確認し、たじろいだ。その様子を見ていた千晃が冗談っぽく言う。 「なんだ、浮気か」 「そんなわけないでしょ!」 本気のトーンで否定すると、千晃はわかっていると言いたげに辟易と肩をすくめた。その間に着信はやみ、颯はほっとする。 髪を乾かす作業に戻りながら白状した。 「実は別の研究室の後輩なんですけど、何というか、かなり連絡が多くて」 「研究関連?」 「元はそうだったんだけど、最近はまったく関係ないですね。食事に誘われたり、ただの雑談だったり」 そう言うと千晃は黙り込んでしまった。もしかして嫉妬してくれているのだろうかと、不謹慎ながら内心ドキドキする。 ストーカーと言うほどではないが、少し付き纏われている、というのが颯の率直な印象だった。
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