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「誰からメールが来てるのか探ってもらってもいい?あと、家まで送ってきて奴って同僚とか?それも知りたいんだけど」
真尋に頼めば、見返りは真尋の事務所の舞台のスポンサー依頼だったし。
それをあっさり承諾している俺も俺だけど。
「最近、しょっちゅう送られてきてたメッセージは高校の時の同窓会の案内だったらしい。あと家まで真衣を送ってきたのは、同じ部署のヤツで、方向が同じメンバー3人でタクっただけだって。玄関で僕が迎えた時は二人だったから、気になったんだけどね」
真尋からの報告に心底ホッとする。わざと俺を不安にさせて、からかってるんじゃないかと思う時もある。
でも真尋の回答にまだ多少のスッキリしないところも残るけど。
きっと心配しすぎだ、よかった、真衣ちゃんを問い詰めなくて。
俺がスゴイ狭量の器の小さい男に思われるところだった。
「そんなことはバレてると思うけど」
そう言った真尋はスルーだ。
そんなこんなで、いろんなものを払拭したかったために計画した旅行。
それなのに、俺は今、渋滞にはまっている。
「道が混んでて、夕飯に間に合いそうにないかも。ゴメン。先に食べてて。」
仕方なく真衣ちゃんにメールを送る。
「一緒に食べれなくて残念。でも気を付けてね、待ってるね♡」
返信にちょっとだけ、デレっとした顔になっているのは自覚している。
その後、豪華な夕食の写真が送られてきて、なんか夜食を作ってもらっておくねと添えられている。
「ありがとう、真衣ちゃん。早く会いたい」
呟きながらメールを送った。
車のテールランプがはるか前方まっで続いている。
まるで飛行機の滑走路を示すようなライティングに、この車に翼があれば舞ちゃんの所まですぐなのに、なんて詰まらないことを考える。
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