阿久津君の残念な日~番外編~

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こんな渋滞の最中に事故まで起こすヤツまでいて、呪いたくなる。 何時間、動かない車の中にいる? 早く真衣ちゃんに会いたいのに。 スマホからバイブ音がして、受信メールをチェックした。 お風呂上りなのか真衣ちゃんの浴衣姿にイライラが止まる。 なんか色っぽくない? その写真を見ながら、自分の妄想に浸ってしまいそうになってる俺って、変態? 最近、マジで忙しすぎた。 完璧、真衣ちゃん不足だ。早く抱きしめたい。 事故現場をやっとのことで通り過ぎ、気がつけば嘘のように車が動き出す。 渋滞の始まりって謎だよね、って思いながら、やっと目的地についた。 時刻は11時を回っている。 やっとの思いで予約した部屋のドアを静かに開ける。 サプライズで登場してみようと茶目っ気を出した。 明かりを落としてある部屋の窓からは静かな夜の眺め、ウトウトしているのか、少し傾いた体を椅子に凭れかけている真衣ちゃんの後ろ姿が見えた。 足音をたてないようにふわりと真衣ちゃんを後ろから抱きしめて、その首元に顔を埋める。 「うん?」違和感が・・・ 「随分、遅かったね、り・あ・ん」 振り向いたその顔は・・・・・なんで真尋?
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