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「真衣ちゃん、おはよう」
翌朝、彼女の眠るベッドの脇に座りながら、やっと覚醒し始めたたらしい真衣ちゃんに声をかけて、口の端にキスをおとした。
「うん?真尋?」
なんで真尋の名前が出るの?
「真尋からも朝のキスとかされてるの?」
そう言いながら、ちょっとだけ頬っぺを抓れば真衣ちゃんの目がボンヤリ開いて俺を見た。この双子の関係が不安になることがあるのは否めない。
「真尋は帰ったよ。やっと二人になれた」
そう言って、真衣ちゃんの首筋にキスを落とせば、俺の首に甘えるように回ってくる腕。
「凛杏・・・・」
意識が覚醒しきれてない真衣ちゃんは少しだけ甘えただ・・・・
「今日はずっと一緒だよ。昨日はゴメン。・・・好きだよ、真衣」
少しだけ体を離して、今度は遠慮せずにお口にキスをおとす。
触れるだけのキスを何度も。
「凛杏・・・・好き」
なんかすごくいい感じ。このまま・・・・と思ったところで、スマホのバイブ音がさっきから止まない。
さすがに集中しようと思っても、どうしても気になってくkる。
真衣ちゃんが俺の胸を押す。
「阿久津君、電話」
マズイ、真衣ちゃんが覚醒してしまった。「阿久津君」呼びに変わってる。
「無視していいから」
そう言って、キスを続けようとしたところで、真衣ちゃんの電話まで鳴り始めた。
「お互い、出た方がよくない?」
「何があっても、今日は真衣ちゃんと一緒にいるということでいい?どんな呼び出しがあっても二人でいるって約束してくれたら、電話出る」
「・・・・分かった」
俺たちは溜息をつきながら、互いにスマホを手に取った。
スマホに表示されている電話をかけてきている相手の名前を見せ合う。
俺には堂島孝志、真衣ちゃんには真尋と表示されているスマホの画面。
俺たちはスマホをタップした。
「「もしもし」」
何があっても、今日は一緒だよね、真衣ちゃん?
俺は真衣ちゃんを膝の上にのせて、足を絡めて俺の中に封じ込めた。
<了>
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