2話

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帰り道は、気付けば辺りが暗くなる。電信柱(でんしんばしら)に取り付けられている街灯(がいとう)(さだ)められた間隔(かんかく)をあけて、夜道を照らす。(かじか)む指先が氷のように冷たい。 (まぶ)しい光の(した)に足を踏み入れる。 そこで、小枝(さえ)が言うのだ。僕らはお互い必要不可欠だと思う、と。意図の読めない始まりに困惑顔をするが、小枝は前を向いたまま歩き続ける。 「僕は、神寺(かみじ)くんが隣にいてくれればそれでいいと思ってた。恋とか愛情とか、よく分からなくても大人になれば解決してくれるって。今もその考えは変わらない。家族は別として。けれど、それが当たり前で、望まなくても手に入るとも思ってた。でも、望まれて、望んで、欲しい言葉が手に入らなかったら、寂しい」 赤く染められた頬や鼻。こんなにも()えた寒空で彼は溜息(ためいき)(こぼ)した。手袋もせず、小刻(こきざ)みに(ふる)える両手は温められない。 追い越す自転車のタイヤがからからと回る。 「・・・・・・今日、マフラーも手袋も忘れちゃったから寒いね」 小枝はうん、と頷く。 「神寺くん()の今日の晩御飯は?」 「今日は鍋だって。昨日、ヒデさんからいっぱいセリをもらったらしい」 「じゃあ、僕の家もかな」 「たぶん」
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