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もう一度両手を合わせてから、重い腰を上げた。同時に、4つ折りの紙が1枚落下した。スマートフォンよりも窮地に立たされており、いつ落ちていてもおかしくなかった。
すぐには拾わず、その場で広げられたが、とても渋い表情をした。目を瞑り、深呼吸をしているが、白紙も同然な進路希望調査票は紛れもない事実なのだ。
数分間眺められた紙に澄まし顔をし、食器を片しにその場をあとにした。
先程言われた紗子の言葉が響いたようだ。
自室に戻ってきた小夜は、伏せていたスマートフォンを手にし、吸い込まれるように、流れるようにベッドへと横になる。電源を入れてから瞬く間に眠ってしまった。
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