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やられた―――!
マンションの部屋はもぬけの殻だった。
どこから抜け出したっていうの!?
「あなた達!それでもプロのSPなの!?」
「申し訳ありません」
謝られたって、もう遅い。
今日は婚約パーティーの打ち合わせだったのよ!?
婚約者不在で大恥をかいた。
ホテル側の担当者は途中でいなくなったのを訝しく思ったらしく『キャンセルについての説明をしますね』なんて言い出すし、父の後妻となった義母は『大丈夫なの?あなた達』とこれみよがしに心配する始末。
ギリッと爪を噛んだ。
イライラする。
手に入らない物なんて今までなかった。
欲しいと思った物は私が『あれが欲しいかも』とか『気に入ったわ』といえば、両親や周りがなんとかしてくれたのに今回は何かが違っていた。
斗翔さんにスーツや時計、車やマンションを購入してプレンゼントしたっていうのに一度も喜んだ顔をしてくれない。
私がどれだけ尽くしていると思っているの?
今日だって、私を裏切っていなくなって!
「どこへ行ったのかしら」
斗翔さんはスマホの電源を切っていて、連絡がつかない。
どうして!?
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