第5話 無心

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「では、失礼します。迷惑をかけないようにしてくださいね」 まるでロボットみたいに挨拶し、去って行った。 「め、迷惑っー!?」 悔しい。 だけど、正論すぎて言い返せなかった。 なんなの、あの人。 おにぎりを口にいれたまま唸って縁側に転がった。 「初対面でガッツンガッツン言い過ぎでしょー!!」 声を張り上げ暴れたけれど、その声はむなしく広い庭先に響いただけだった―――
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