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こやぎのごとうくんはやぎの村にお父さんやぎとお母さんやぎと暮らしています。ごとうくんにはとてもなかよしの女の子やぎのメエちゃんがいて、二人は毎日なかよくあそんでいるやぎやぎ小学校のいちねんせいです。
ある日、ごとうくんとメエちゃんは笹で作られた笹舟が川の上の方から川の中の小石にぶつかってちゃっぽんちゃっぽんと音をたてながら流れてくるのを見ました。
「いったい誰が流したのだろう」
二人は川の上の方へと行ってみることにしました。
道すがら、見たこともない花や珍しい色のキノコ、からみあった木のえだがトンネルみたいになっている道を通ったり、近づいてはいけないよ、とは虫類のずかんに書いてあったどくを持つヘビに追いかけられたりと、スリルのある冒険をしました。やがてたどり着いた先にはおいしくて歯ごたえのあるみどりの草のたくさんしげった広い広い草原がありました。
「ねえ、あれ見てよ!見たことないもようのうしさんやひつじさんがたくさんいる。行ってみよう!」
「わたし、ここにいる」
「どうして?いっしょに行こうよ」
「わたしここで待っているからごとうくん見てきていいよ」
メエちゃんはしっぽをくるりとうちまきにしてこわそうに体をふるわせています。
「わかった。じゃあ待っていて。一周かけてからすぐにもどってくるね」
ごとうくんは広い広い草原をかけてゆき、あっと言う間に見えなくなりました。
一人のこされたメエちゃんはとってもふあんになりましたが、ごとうくんと約束したので待ちました。
しかし、ごとうくんはなかなかもどって来ません。
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