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「どうしたの?おなかでもいたい?」
メエちゃんが心配になったごとうくんはやさしく声をかけましたが、メエちゃんはなみだをいっぱい浮かべたままで言いました。
「わたしいやだわ。ごとうくんがにんげんになるなんていやよ」
「何で?」
「わたしのきもちなんて、わからないわ」
そう言ってメエちゃんはおこってお家に帰ってしまいました。ごとうくんはメエちゃんが何でなみだを流しておこったのか、わけがわかりません。
そこでお家に帰って、お父さんとお母さんに聞きました。
「今日、メエちゃんを泣かせちゃった」
「まあ、どうして?」
はじめてのことです。
あんなに仲が良かった二人に何があったのかしらとお母さん。ごとうくんはお母さんの心配そうな顔を見てだまってしまいました。
すると、となりで夜ごはんを食べていたお父さんが言いました。
「メエちゃんと何を話したのかい?」
「ぼく、広い草原でいつもしんせつにあそんでくれる女の子みたいに、大人になったらにんげんになりたいって言っただけなんだ。それだけなのに、メエちゃんたらおこって帰ってさ、きらいだよ」
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