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それを聞いたお父さんとお母さんは顔を見合わせ、そして、お父さんはごとうくんの体に手を置いて優しく毛なみをなでました。ごとうくんは気持ち良さそうに目を細めます。
「おまえはにんげんになりたいのかい?」
「うん。だって、その子しあわせそうなんだよ。きれいな洋服を着て、おいしそうなごはんをかごにつめてお昼になるとそれを食べて、山々にこだまするように美しい声でカナリヤみたいに歌を歌うこともできるし、なにより、せかいっておもしろい場所にじゆうに行けるんだ」
「だからにんげんになりたいって思ったのかい?」
「うん。でもメエちゃんはぼくがにんげんになるのはいやだって泣く。どうしてかな?」
お父さんはごとうくんの話をくわしく聞いてくれた後、今度は優しく頭をなでてくれました。
「もしおまえがメエちゃんで、にんげんになったお前とはなれて暮らすことになったらどう思う?」
ごとうくんはこまってしまいました。
そんなこと言われても、
ぼくはメエちゃんじゃないんだからわからないよ。
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