こやぎのごとうくん

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やがて目を開けた時、まだ夜でした。 ごとうくんは外ではなく自分のお部屋のベッドの 上にいました。 窓の外の月が笑ってこちらを見ています。 どうやら夢を見てしまっていたようです。 ごとうくんは夢で良かったとほっとして、それからほっぺたを流れているなみだに気がつきました。 ぼく、すごくかなしかった――― 夢だけどメエちゃんと仲良くできなくなっていて すごくかなしかった。 『わたしのきもちなんて、わからないわ』 そしてメエちゃんのおこっている顔を思い出し、 気がつきました。 そういうことなんだね、メエちゃん。 ごとうくんは思いました。 ぼく、もうにんげんにならなくてもいい。 だってメエちゃんと学校に行きたいし、 ふたりでいっしょにブランコに乗りたいし、 小川の笹舟を追いかけたりして遊びたい。 大人になったとしてもやっぱり、 メエちゃんのそばにいたい。
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