一枚の写真。

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一枚の写真。

「…今からの時間を俺にくれないか!?代わりに俺の時間を独り占めしてくれよな。」 「きゃー!!」  私はパソコンの前で全力で黄色い声を上げた。甘いマスクにウィンクは一撃だ。相変わらず画面の向こう、JグループのMASATOはカッコいい。この切れ長の目は芸術じゃないか。 部屋にはお気に入りの写真を飾り、このライブ配信をはじめ、今までのコンサートの半券の山が部屋を飾ってる。 逆にそれ以外のものは無理矢理に押し込んでかろうじて仕事アイテムの位置を守っている。 7畳の部屋にはMASATOを飾ると場所は無いし、コンサートに行けばほとんど生活費も無い。 「あー、この為に生きてるもんだわ。」 私はパソコンの前から布団に大の字に倒れた。身体を転がして畳んでない洗濯物の上を見ると一枚のハガキ。 「あれ?…なんか残してたっけ?」 私はハガキをみると同窓会の知らせだった。 「そっか…卒業から10年だからね…。」 私は思い出した様にクローゼットを開いた。見覚えのない抱きまくらや座布団の雪崩を越えると奥にしまいこんでいた文集が。 「…これこれ…。みんな…元気にしてるかな?」 私は文集を開いて思い出に浸る。 その時に一枚の写真が脱走した。 「?」 そこには、一人の男性が少し照れくさそうに写っている。私好みの顔だけども…どこの誰かが思い出せない。
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