同窓会

1/5
前へ
/14ページ
次へ

同窓会

豪華なホテルで執り行われた同窓会。 慣れないピンクのワンピースを買って良かったと本当に思う。 もう結婚した人も居れば、何も変わってない人もいる。久しぶりに声を聞いて思い出した男子も居たが、やはり写真の彼と思われる人は居ない。 「ねぇねぇ、(あおい)。さっきからキョロキョロしてるけど誰か捜している?」  「え?りさちゃん。」  「…確かに…みんな変わって、イケメンも居るわよね!写真撮ってるカメラマンやあっちのホテルマンとか。」 りさちゃんがグラス片手に話しかけてきた。 「ねぇねぇ、この男子、誰だったかわかる?」  私は写真を取り出した。 「…え?…誰だろう?」 りさちゃんは私よりも顔が広いと言うのに知らないのか。 「…あれ?それ、青羽(あおば)じゃん?葵ちゃん知ってんの?」 「大福(だいふく)君、知ってるの?この子の事!?」 「あぁ、知ってるってほどじゃないけど。」 「どいうこと?」 後ろに来た背の高い大福君は記憶をたどるように上を見る。 「一度サッカー部での試合で見たことあるけど…。確か…足を怪我したか、病気になったかでサッカーやめた、南中学の生徒。」  「南中学!?私達の北中学の2校区先の子なの!?」 私はより訳が分からない。中学から部活はしてないし、その時から私はアイドルファンの道を歩んでいる。 そんな私が隣のまた隣の中学生と知り合う機会など。 しかも写真を持ってるのなんて変な感じ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加