魔の一週間

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チュンチュン 小鳥のさえずりが聞こえてくる。 俺がゆっくり目を開けると、辺りはまだ暗かった。 それが久遠のカーテンのせいであることに気づいた俺は、張り付いて寝ている久遠から離れ、毛布を蹴ったくって大の字で寝る鷹取に再び毛布をかける。 シャッとカーテンを開けると、まだ薄暗く、ほどよく涼しい。 今はまだ早朝であるということがわかった。 スマホを開くと、5時40分の文字。 早起きしすぎたな~、なんてことを考えながら、俺はいつも通り準備をした。 準備を終えると、時間が余ったので、軽く朝食の準備にとりかかる。 今日のメニューは、フレンチトーストと、珈琲─★ 再び時計をみると、6時20分の文字。 はぁ… なんて清々しい朝───────★ な、訳はなく。 「朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会室朝イチで生徒会───」 血眼になって時計を見つめる俺、井森一太。 ただいま生徒会室の前で、待機ナウです。 前回、 だれが作ったかもわからない噂によって退学寸前に追い込まれてしまった俺。 退学を回避する方法はただ一つ、生徒会の良き奴隷となること!!!!!! 『明日からてめぇは俺の奴隷だ~~ッ言うことを聞けこの家畜~~ガハハハハハ』と、生徒会長に言われてしまい…(言われてない) しかし!!!!! 『井森!だーいすきだよっ★』 『一太…どこにも行くなッ』 と、言う(言ってない)二人のために…俺はどんなことでも耐えて、頑張って見せる!! と心に誓ったのだ!!!!!!! 待ってろ久遠、鷹取───★ 必ず俺はお前らのところに戻ってくる───★   「早いな。」 「アッ….オハヨウゴザイマス」 「なんでカタコトなんだ。」 グッモーニン会長さん。 朝からお顔がよろしいですね。 できれば拝みたくなかったです。 カタコトなのは人見知りだからです。 「べっ、べつに…」 「まぁ生徒会室の前で立ち話するのもおかしいだろ。入れ。」 ヒェ~~~~~~~~~~~~~ッ!!! 怖いよぉ~~~~~~~~~~~ッ!!! あんなことやこんなことさせられちゃうよぉ~~~~~~~~~~~ッ!!! ソウ…俺はかの久遠大てんてーに、教えてもらったのだ… 『いーかい?井森! ここは幼等部から高等部までエスカレート式の学園。もちろんち~~っちゃいころから、ず~~っと男だらけの園なんだよ! だからこの学園の男共の大半が、男色家ッてわけ!性的対象ももちろん男! 特に井森は童顔だから完全なる受け顔! お前はまだ不良臭いから周りはビビって手を出してこないけれど… 色んな連中がお前の魅力に気づいたとたん、襲いかかろうとするはずだ! 生徒会も例外じゃあないんだよ!中には俺以上の遊び人もいるって聞くし、 もしかしたらエッチなお願いをされるかもしれない!!!! だから~どうしても抱かれたくないならば、絶対に隙を見せないこと!気を付けてね! 安心して!俺が最初にお前の処女をもら…』 なんて説得力のある発言なんだ!!!! まぁ最後の言葉は聞こえなかったとして… 久遠だいてんてー、ありがとう。 お前の言葉、胸に響きました。 別に、好きな人なんてできたことないし、男だからと女だからと性別で恋愛対象か対象外かをわけるつもりがないが、 正直襲われたくない!!!!!! 男同士の恋愛とはいかほどか?とおもい、興味本意で「男同士 恋愛🔍]で、検索したところ おそろおそろしい話がわんさか、わんさか…ッ 想像しただけで寒気がするレベルだッ!!! 俺は童貞は卒業しても処女は守り抜きたいんだッ!!!!!!!!!! 何を命令されても、俺の処女は、守って見せる…! 俺は、オス♂だ─────────── なんて、ふしだらなことを考えていると 生徒会長さんはいつの間にか、【生徒会長】とかかれた席に座っており、 俺のことをジッ…と見つめていた。 す、スケベな目をしているッ!!! 気がするッ!!!!! 「俺の自己紹介がまだだったな。」 「エッアッ…ハイ。」 スケベではなかったようだ。
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