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──────夕方
「いや時の流れ経つの早すぎない?」
「可哀想にイモリ。生徒会にこき使われてるモリね」
なんだその絶妙に不快感のある語尾は。
やめなさい。
時間とは驚くことに、楽しければ楽しいほど早く、つまらなければつまらないほど遅くなるらしい。
さっきまで朝だったはずなのに、気づけば時すでに夕方だ。ふざけるな。
「今から久遠はなにすんだ」
「普通に部活」
たまげた。
そういえばこいつは空手部に入っていたのだ。
まともに部活に向かってる姿なんぞみたことないので、ほんとに入ってるのか?と疑問だったが、フッ…不問だったな。
使い方あってる?
「久遠。一太」
「鷹取…!」
ひょこっと現れたのはラブリー鷹取。お前が恋しくてしかたなかったよッ
「今からまた生徒会なんだろ?
部活終わったら夕飯作って待っとくから、がんばれ」
「えーーとかいって絶対作るの俺ジャーン」
「嫌か?なら俺が一太と二人で出前をとる。」
「いやだー!!!つくる。」
エッッッッッッ
あまりにも愛おしすぎる。
俺が女の子なら絶対に鷹取をダーリンにしたいレベルだ。
いやもうお前が俺のダーリンだ!!!!
異論は認めないッッッッッ
そんな楽しいトーキーングタイム時間(二重)
もすぎ、2人が部活に行くタイミングで俺も教室をでて生徒会室に向かった。
これほどまでに足取りが重たいのは初めてだ。
──────in生徒会室
「コンニワ」
「遅い。すぐに来いと行っただろ。」
「ハイ」
恐ろしすぎる。
開けてびっくり、扉の先には仁王立ちの皇会長様。
「まぁいい。
さっそく続きをやるぞ……といいたいんだが、その前にお前に紹介しなきゃいけない奴らがいる。」
良かった。勘違い乙wに触れてこない、ということは、恐らく聞こえていなかったのだろう
それかあまりのショックで記憶飛ばしたか。
後者だったら驚くぐらいにメンタル弱いな。
笑ってしまいそう。がまんだ、がまん(笑)
会長は俺に「変な顔するな」と突然悪口を言ったかと思うと、またもやふかふかの椅子に強制的に座らされる。
ふかふかできもちくて、寝ちゃいそうだ。
寝ないけど。
それにしても、内装がすごい。
ふかふかの椅子はもちろん、高級感溢れるソファや、液晶テレビ。
冷蔵庫や電子レンジ、食器入れなんかもおいてあったりして、
なんだここは。金持ちのリビングか、とまで思わされてしまう。
ちなみに俺の前住んでたボロアパートより広い。恐らく。
ふざけんな。なんかムカつくぞ!!!
なんてことを考えていると、気付けば目の前に会長含め5人の男達が鎮座していた。
なにこれ……………面接…………?
コミュ障あがり症の俺にとっては、面接ほど嫌いなものはない。
顔が真っ赤っかになって、おててはブルブル、膝はガクガク、言葉はでてこないの、陰キャ4点セットだ。
この前の自己紹介のときなんかは、人の視線を感じにくかったので割とすんなりやれるが、
こんな風に対面で人に見られるのは大の苦手だ。
誰か助けて─ッ!ママ───ッ!
「今から生徒会のメンバーを紹介する。
覚えろ」
なんだ、俺じゃないのか
安心。
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