魔の一週間

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─AM5:00 「で、できた……!!!!」 時計を開くと既に朝の五時。 あれから、また1日会長と共に資料作りに取り組んだ。 学業の合間を縫って仕事をこなすのはすごく大変で、毎日寝る間を惜しんで仕事にとりかかった。 そして気づけば、約束の提出日の朝。 こんな時間までしてたのか、。 苦手なものでも、やっぱり完成するとそれなりに達成感がある。 「会長、すげぇって、言ってくれっかな。」 なんて、柄にもなく思ってしまう。 これじゃまるで、会長サンに惚れてるみたいだ。 断じてそんなことは無いが!!!!!! ただ、人に頼られたのが初めてで、 人のために何かをなすことが初めてで、 それが楽しかったから。 「早く見せに行こっと!」 俺はまだ学校が開いてない時間ということすら忘れて、部屋を飛び出した。 ────────────── 皇 廉太郎side 8時。 既にアイツは来ている時間だと思ったが、 まだ来ないのか。 俺が生徒会室にいつも通り入ると、そこに人の姿はなかった。 まぁ、昨日も一昨日も夜遅くまでさせていたし、まだ眠っているのかも………… いや、事情はどうであれ、約束は約束。 朝と夕方、時間がある時は一緒に仕事をすると言っていたはずだ。 ………………まさか、あれだけ取り組んで 今更面倒臭くなったのか? 別に、最初からやつになにか期待したわけじゃない。 なのに、 なんで俺は、少しガッカリしてるんだ。 ガチャッ 「!!いも、」 扉が開く、 俺が反射的に扉の方を見ると、 「あれー?廉、あの子ブタ来てないのー?」 そこに居たのはイモリではなかった。 「…………瑠衣か。あぁ。来てない」 「まぁ〜そんなこったろうと思ったよ〜ぉ 3日目で既に来ないとか……… 情かけるだけ無駄だねぇ。早く退学させちゃえば? てゆーかさァ今日なんて約束の日でしょぉ? こーぉんな大事な約束すっぽかすなんて人として最低じゃない!? それにさぁー、あーんな野蛮なヤツいたら、僕ら生徒会の品位も下がるしぃ、、いい迷惑ってゆーかぁ〜……」 「………そうだな」 瑠衣の言葉も上手く耳に入らず、適当に相槌を打つ。 「しかも〜まともに仕事もできないんでしょぉ? 僕らだけで回せるなら増やす必要ないしぃー」 「そうだな……」 「だよねぇ〜 廉のことだからァ、興味本位とお遊び半分で相手してるんだろぉけどさぁ〜 さすがにちゃーんとっ!周り見たほーがいいよぉ。」 「そうだな」 「そゆこと!僕忘れ物取りに来ただけだからもう行くねぇ〜っ!」 「…………あぁ。」 たしかに、瑠衣の言う通りかもな。 ただの暇つぶし、ストレス発散で近くに置いてただけだ。 さっさと捨てるのが、いいかもしれない 「最初から、期待なんてしてないしな。」 そう、思ってるはずなのに、 この胸の、ぐるぐるした違和感は、なんだ
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