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「ベビー用品……は生まれてからでもいいですよね。そうすると山田さん向けのプレゼントがいいのかなぁ」
大学生の明里が欲しいものと、二十代後半の主婦である山田が欲しいものはおそらく違う。一概にこれ、というものが浮かんで来ない。
「そしたら次の休みが合う日に一緒に見に行く? 俺、送別会の幹事だから」
「それいいですね。それまでに山田さんが欲しいものリサーチしておきますね!」
気がつけば次の休みは辰巳と一緒に出かけることになってしまった。もしそれまでに就職に関しての質問が出てきたら聞いてみようと少しだけ心が躍る。
「明里ちゃん」
「はい、何でしょう?」
急にいつもよりワントーン低い声色で名前を呼ばれて明里は振り向いた。するとそこには真剣な眼差しを向けてくる辰巳がいた。
「そのときに、この間の返事聞かせてもらえたら嬉しいな」
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