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目的だった送別品を買うと軽く食事をしてその日は帰路についた。辰巳はあれから告白の返事のことを持ち出すことも無く駅で別れ、明里はほっと胸をなで下ろした。
「ただいまぁ~」
帰宅して自分の部屋に戻るとぼすんとベッドに飛び込んだ。そんなに歩き回ったわけじゃないのにどっと疲れが押し寄せてきて明里はだらりと力を抜いた。
「そうだ、お礼のメッセージ送っておかなくちゃ」
自分の分は自分で払うと言ったのに、食事代を払ってくれた辰巳にお礼のメッセージぐらいは送らなければとスマホを取り出した。
「灯から……?」
そこには灯からのメッセージが何件か入っていた。その名前を見て、あんな別れ方をしてしまったから灯にも連絡を入れておいた方がいいかと思い、灯とのメッセージ画面を開いた。
『あの辰巳って人、本当に彼氏候補なの?』
『告白された、とか?』
『ごめん。忘れて』
はじめの二つは灯と別れたすぐ後に受信していた。けれど、最後のメッセージだけはつい三十分ほど前に送られてきていた。その間が気になる。
とりあえず辰巳に今日のお礼と、山田さんの送別会の件についてメッセージを送った。
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